最終更新:2015/10/13 16:55:55 JST

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研究内容の紹介

メインテーマは主観情報処理

人の行う情報処理,特に程度の判断や評価における主観性に興味を持ち,定量的に解析し,その知見を工学などの諸分野へ応用することを目的として研究を始めました.1990年頃にこの学際分野を主観情報処理(Subjective Information Processing: SIP)と名付け,以来研究を続けています.特に最近は「家内制手研究」で細々と続けております. 個人的には興味のあるテーマはやってみようという立場なので,必ずしも主観情報処理の範疇に入らないテーマも増えてきています.

蛇足ですが,インターネットの通信プロトコルの1つであるSession Initiation Protocolも同じSIPという略語になりますが, 主観情報処理の方が先にSIPの略語を使用しております(笑).

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本業の研究テーマ

被験者に協力してもらうテーマが中心なので,「人・モノ・金」が慢性的に欠乏した現状では,なかなか成果が出ません.細々とは継続しておりますが….どこかに被験者とかデータ解析してくれる学生とか落ちてないかいな(笑)

ファジィ集合の同定法

あいまいさを定量的に記述するためのファジィ集合のメンバーシップ関数の同定法に関する研究です.ファジィ集合の同定とはあいまいさを定量的に表すファジィ集合を決定することにあたります.ファジィ理論に関する知識を持たない人でも適切なファジィ集合を同定できるように境界漸近推定法(BASE法:Boundary ASymptotic Estimation method)という新しい手法を開発しています.この手法では人とコンピュータが対話を繰り返してファジィ集合の形状を同定するため,従来方法よりもファジィ理論の知識を持たない人でも使いやすいことが実験から明らかになっています.

なお「対話型メンバーシップ関数同定法の改良」という内容でH13,14年度の科研費奨励研究に採択されました.また本テーマで電気関係学会連合大会平成6年度奨励賞をいただきました.

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あいまいさを考慮した心理尺度構成法

個人差や目盛に使われる言葉の意味のあいまいさを考慮したアンケート調査の解析手法,いわゆる心理尺度構成法に関する研究です.従来の系列範疇法に代わる方法として,ファジィ範疇法,多重尺度図法という手法を開発しています.従来の心理尺度構成法は反復測定結果を統計的に処理しますが,提案手法ではファジィ集合を利用することで反復測定せずに尺度構成と測定値の定量化が可能です.さらにアンケートの回答用紙に用いる言語的な目盛(例えば,「かなり」や「やや」など)を設計する支援システムを提案しています.またJava言語を用いて実装し,インターネット経由で利用可能なシステムも開発しました.

なお「計算機を援用したファジィ範疇法の精度と使いやすさの改良」という内容で立石科学技術振興財団の研究助成を受けました.

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計算機上でのファジィ集合の表現法

コンピュータ上でのファジィ集合の表現,演算は他のテーマの基礎となる基盤技術に相当します.特に他のテーマでもよく利用する台形型・三角形型など,いわゆる区分線形ファジィ集合に対象を絞り,それらをJava言語を用いて処理するシステムの開発を行っています.

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あいまいな概念の間の類似度,一致度

あいまいな程度や概念の間の「似ている度合」や「一致している度合」,いわゆる類似度や一致度の演算方法の実験的な検証を行っています.また「かなり高い」と「非常に高い」の間のような,2つのあいまいな概念や程度の間(あいだ)を表す演算の導出,さらに「かなり」などの程度を表す副詞の使い分けに意味を持つ副次的な意味の分析,それらのモデルの構築に関する研究を心理実験を通して行っています.

なお文部省科学研究費奨励研究と立石科学技術振興財団の1999年度海外派遣助成に採択されました.また本テーマで日本ファジィ学会奨励賞を受賞しました.

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本業以外

「人・モノ・金がない状態で研究ができません」と言っていてもどないもならんので,とりあえず食いつないでいます(笑)

計算機を援用した評価支援システム

パソコンや携帯電話,スマートホンを利用した出欠や学生による授業評価アンケートを収集するシステムの開発を行っています.電子メールとWWWサーバを連携させることで代返を防止し,かつ評価アンケートの匿名性を両立させるシステムを提案しました.

なお本テーマで2004PCカンファレンス優秀ポスター賞を受賞しました.

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低解像度ナンバープレート数字の識別法

画像中に非常に小さく写っている,いわゆる低解像度ナンバープレート画像中の数字の識別法について研究を行っています.画像の統計量を利用して識別する従来法と異なり,ファジィ集合とファジィ規則を利用することで候補となる数字の順位付を行う手法を提案しました. 基本的な識別法については特許出願し,特許が成立しています.さらに提案手法は複数の科学捜査研究所に導入されて実際に捜査に利用されて役立っています.鑑定書を作成できる手法とのことですが,まったくその恩恵はありません(笑)

なお2006年度独立行政法人科学技術振興機構 地域イノベーション創出総合支援事業「シーズ発掘試験」に採用されました.また本テーマで日本鑑識科学技術学会学術奨励賞を受賞しました.

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決定理論に関する意思決定法の改良

利失表を用いた決定理論による戦略選択の方法の改良に関する研究です.従来のマクシミン,マクシマックス,後悔マクシミンなど以外の手法を考案しています.

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このサイトに関するお問い合わせは,連絡先のページをご覧ください.
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http://www.sip-ac.jp//sip/work01.html,    2001 Ayumi Yoshikawa
主観情報処理研究所